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家の健康を考えるために東大の偉い先生のレポートがあります。

住まいと人体について

 

臨床環境医学(第9巻第2号)(臨床環境9 :49~62,2000)

 

住まいと人体  工学的視点から 村上周三 1)東京大学生産技術研究所

 

I.住まいと環境

 

1.居住環境と室内汚染 

 

 暖冷房の導入、高断熱・高気密化、新建材の利用などで居住環境は、以前に比べて大いに改善された。しかし、利便性・快適性向上の反面、副作用とでもいうべき新たな環境問題を抱えることになった。

 

代表的なものの1つがシック・ビルディングに関連した室内の空気汚染問題である。

 

 従来、室内空気質に関して問題とされていた点は、開放型燃焼器具の不完全燃焼に起因する一酸化炭素中毒に代表される高濃度短期暴露の中毒事

故、及び環境煙草煙等に起因する高濃度浮遊粉塵等が主なものであった。

 

しかし、近年、室内の空気汚染の中で特に問題になっているのが、ホルムアルデヒドやVOCs等の揮発性有機化合物による微量化学物質汚染で、アレルギー疾患や化学物質過敏症患者増加の原因とされている。

 

化学物質による空気汚染は、欧米各国でも大きな問題として広く取り上げられている。日本でもここ数年健康住宅の研究をはじめ、産・官・学がこの問題の解決に取り組んでいるが、欧米各国に比べ研究の立ち遅れは否定できない。日本固有の住宅事情、室内生活習慣などの理由により、今後、この問題はますます深刻化することが懸念される。

 

 このような状況に鑑みて、室内化学物質汚染を解明するための研究が、科学技術庁から科学技術振興調整斉の助成を得て、日本建築学会を中心に

スタートした。これは、建築のみならず、化学、医学、社会科学分野の研究者も含んだ学際的な共同研究となっている。

 

本稿では室内化学物質汚染の背景や実状、対策等について概説する。

 

2.人間は大量の物質を呼吸により吸引している

 

 人間は飲食をはじめとして、様々な行為を通じて物質を体内に摂取する。

 注目すべきは、呼吸により室内空気から取り入れる物質の割合が全体の6割近くを占め、他に比べて圧倒的に多いことである。

 

従って、室内空気の汚染の進行はそのまま体内に摂取される汚染物質量の増加につながることになる。

 

即ち、我々が健康で安全な生活を営む上で空気が清浄であることは、基本的人権と言って良いほど重要なことなのである。

 

 

 

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3.我々は空気環境にもっと神経質になるべきである

 

 我々は濁った水を飲むことには強い拒絶反応を示すが、濁った空気を吸引することにはそれほど強い拒絶反応を示さない。

 

 清浄な水を確保することが人間生活にとって不可欠であるように、清浄な空気を確保することも人間としての基本的な要求である。

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